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Nature Cell Biologyに公募班・学習院大学・馬渕一誠氏の論文が掲載されました   論文   

Nature Cell Biologyに公募班・学習院大学・馬渕一誠氏の論文が掲載されました

In vitro contraction of cytokinetic ring depends on myosin II but not on actin dynamics.
Mishra M, Kashiwazaki J, Takagi T, Srinivasan R, Huang Y, Balasubramanian MK, Mabuchi I.
Nat Cell Biol.
2013 Jul;15(7):853-9.
PMID: 23770677


in vitroにおける収縮環の収縮はミオシンIIに依存するがアクチンのダイナミクスには依存しない 

公募班員 馬渕一誠
(学習院大学理学部生命科学科)

[解説]

図1 動物や酵母の細胞は収縮環とよばれる構造の収縮により細胞質分裂を行うと考えられている。収縮環のおもな成分はアクチンフィラメントであり、収縮環はアクチンとミオシンとの相互作用により収縮すると考えられる。しかし,収縮環の収縮の機構はよくわかっておらず、in vitro収縮系の開発が待たれていた。この研究では,分裂酵母を用いて収縮環を含む細胞ゴーストの単離に成功し(左図)、ATPの添加により収縮環がin vivoにおける速度の30倍もの速さで収縮することを示した(下図、数字は秒)。これにより、まず、分裂酵母の収縮環が自立的に収縮できる構造であることがはじめて示された(分裂酵母の“収縮環”は収縮できる構造かどうか分かっていなかった)。さらに、収縮環の収縮にはアクチンのダイナミクスあるいは脱重合が必須であると思われてきたが、収縮にともないアクチンは脱重合するものの、脱重合は収縮そのものには必須でないことが示された。また,ミオシンのATPase活性が収縮環の収縮に必須であること、アクチンフィラメント架橋タンパク質が過剰に存在すると収縮環の収縮が阻害されることなどが示された。収縮環のin vitro収縮系の開発は、今後、細胞質分裂の分子機構の解明に大きく貢献するものと思われる。

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